代表挨拶

経済商工法人会 理事長メッセージ

日本における中小企業の生存率は永くはなく、20年もすればほどんどの会社が倒産してしまうという事実があります。

このままでは、起業はリスクと捉えられ、起業する人はどんどん少なくなってしまいます。
現に、日本の企業率は世界の中でも最低水準で、100人当たりの起業率は3.9%と先進国の中で最低の数字なのです。

何故、ここまで中小企業の生存率は低いのでしょうか?

その答えは、「経営のプロ」と呼べる経営者が少ないからです。
多くの中小企業の経営者は「事業のプロ」「売上を上げるプロ」であっても、「経営のプロ」ではないのです。

事実、この日本において「経営」が学べる場など、ほとんどありません。
会社法の改正により、資本金1円でも会社は設立できるようになりました。確かに簡単に起業できる環境にはなりました。

しかし、会社は設立してゴールではありません。継続してこそ会社の存在意義があるのです。
更には、この日本では一度でも失敗すると、再び起業家として復活することが困難な環境にあるのです。

私たち、経済商工法人会は、「中小企業の未来こそが日本経済の希望」と信じ、中小企業の社長を本物の「経営者」にするべく、日々活動しております。
また、企業が安定した成長と発展ができる基盤を構築するため、政治・経済等の政策を国に対して提言していくことを活動目的としております。

身近で頼りになる存在として精一杯の努力をしていく所存でありますので、皆様のご理解とご支援を賜りますよう心よりお願い申し上げます。



永続的な企業経営を目指すために…

企業が利益を上げるというのは、そう難しくはありません。
売上を上げ、経費を下げれば「利益」が上がります。
当たり前で簡単です。
ですが、企業が長期的に事業を健全な状態で続けるというのは、実は簡単ではありません。
100年、200年続く企業はほとんどありません、
それどころか50年だって30年だって続く企業はほとんどないのです。

何故、企業の継続は簡単ではないのでしょうか?
様々な要因が考えられますが、私たちが考える主たる要因は以下のものです

①そもそも時代とともにどんな事業でも陳腐化し、衰退することを経営者がわかっていない
事業のイノベーション、新規事業、研究開発などの取り組みがされていない。
分かっていたとしても取組が行われていなければ意味がない。
②同業者、ライバルが必ず現れ、必ず価格の競争になる。
常に商品・サービスの向上、新しいマーケット、マーケティング、新規事業、社員教育など、競合他社への差別化の取り組みがされていない。
③優秀な人材をとどめておくことが困難。
中小・零細企業では、そもそも優秀な人材は集まりにくい。
多額の報酬が払えない。福利厚生が手厚く出来ない。キャリアアップやスピンアウトの仕組みが無い。ストックオプションなどの仕組みが無い。
④優秀な人材をとどめておくことが困難。
優秀な人材を雇えたとしても、留めておくだけの魅力が出せない。
教育、報酬、福利厚生、キャリアアップ、ストックオプション、スピンアウトなどの施策がない。
⑤まさかの事態は意外と頻発することが分かっていない。
先の震災や津波、原発事故などは早々起きる現象ではないが、事業を行っていれば「まさか」という現象は頻発する。
売掛金が回収不能になったり、事故が起きたり、思いもよらぬトラブルやクレームなどは日常茶飯事的に起きる。
⑥そのまさかに、リスクヘッジ、リスクマネジメントが出来ていない。
想定されるリスクに対しての危機管理と施策が無い。
そもそも想定しているリスクが小さい。
⑦資金調達能力が低い
資金繰りに対する知識、ノウハウが無い。
実は設立時、その前段階から間違っている経営者が多い。
ファイナンス戦略、金融会計、金融機関視点という知識ノウハウが皆無。
⑧事業分析、財務分析が出来ていない。
分析能力がない。
毎月の収支予測すら出来ていない。
月次試算表すらない。
⑨つまりは経営者の知識、ノウハウが全くない人が経営をしている。
そもそも経営の知識、ノウハウを教えてくれるような環境が日本には無い。
「事業」「経営」「資本」の分離思考が出来ていない。
全てを社長一人でやろうとしている。

こういった要因を乗り越え企業を継続させるのが経営者であり、社長の役割です。
我々、経済商工法人会はそのお手伝いをするのが、存在意義であり役割であり使命なのです。
そして、永く続く企業を創ることが「より良い社会創り」につながると私たちは考えます。
皆様と一緒により良い社会を創造できることを心より楽しみにしております。





平成26年2月16日
一般社団法人 経済商工法人会

理事長 藤城英明